埼玉県越谷市、春日部市、さいたま市のマンションリフォーム専門店の建築士コラム

デザインリフォームの落とし穴


「おしゃれで素敵なリビングにしたい!」

リフォーム、リノベーションの時にデザインにこだわるのは大事なことだと思います。

最近よくみるリビングなどのデザインリフォームの事例に、
天井壁にコンクリート打ちっぱなしで床に無垢材を使うデザインを見たことはありませんか?

とてもかっこいいですよね?

しかし、この天井壁がマンションのコンクリ躯体をむき出しにしただけの工事だとしたら、
これは人が住むには限界を超えた寒さや暑さになってしまう住宅になってしまっています。

しかも、もし元の住まいの断熱材を解体してコンクリを出したとしたら、
デザインリフォームによって住宅性能を著しく低下させたリフォームとなってしまっています。

以前より、このコラムで何度も結露と断熱についてお話させていただいておりますが、
マンションはRC構造がほとんどですから機密性が高いというメリットと同時に
コンクリートによって外気の寒暖の影響を強く受け、さらに蓄熱する性質を持っているため
室内に温度差をうみ、結露を出しやすい住環境であるということをお話しているかと思います。

1981年以降、RC構造での断熱という概念が生まれましたので、
断熱性能が十分とは言えませんが、以前の無断熱とは雲泥の差です。

それなのに、このようなデザインだけを優先させたリフォームを提案している業者さんって
どういうつもりなのかなと思ってしまいます

売れれば良いのでしょうか?

しかもデザインを優先したこのようなリフォームは住宅性能が著しく低下することを、
お客様に伝えた上で合意しているのでしょうか?
これは推測でしかありませんが、そのような業者さんは都合の悪いことは言わない。
というか、性能が低下することすら知らないのではと思うのです。
同業者として非常に残念です。


せっかく高額の工事費を支払って出来たおうちが工事前より夏暑くて冬寒くなり
さらに光熱費はあがり、結露とカビや温度差によって身体に害のある住まいになってしまう
これでは何のためのリフォームなのでしょうか?

さらに断熱性能だけではなく、遮音性能を低下させ、
工事後に下階住民と騒音トラブルになり、
工事をやり直したなんて事例もあるくらいです。

住まいをリフォームして快適に住まえるようにするにはデザインは重要です。
しかし、住まいの本来の役割は「命を守り育む」ためにあると思うのです。

以前にも話しましたが、リフォーム業界は敷居が低い故に知識や技術がない業者が横行しています。

もちろん優秀で心ある業者さんもたくさんいます。

まずはそんな良い業者を見極めなければなならないと考えると
お客様自らが学んでいただき賢くなって頂く事が
大切なのではないかと思います。

どうか、このコラムで少しでもお役に立てれば嬉しい限りです

それでは。

マンションリフォームマネージメントの出来る建築士の必要性について


マンションリフォームをマネージメント」と聞いてピンと来る方は、多くないと思います。

専門性を必要とするマンションリフォームは、お客様とリフォーム会社だけが関係者となるわけではありません。
戸建て住宅リフォームとは異なる共同住宅ゆえの「近隣や管理組合・管理規約等との管理・調整・承諾」などマネジメント業務が発生します。


そのマネジメントが何故必要で、なおかつ専門性が必要なのかをお話いたします。


マンションはまだ住宅環境として歴史の浅いものであり、現況の建築基準法では想定外の事が数多くあります。
このような時流の中で国交省は区分所有者法を改正しながら、標準管理規約も改善しているという事があります。

例えば、建築基準法において、隣接する敷地にける建物の位置や距離・採光などの法はあっても、マンションに代表される共同住宅で想定される、上下階の問題については未だ法整備されていません
しかし、現実にマンションに代表される共同住宅における上下階・同建物内近隣の問題は数多くあり、また新たに問題が表面化しています。


その法整備をされていない中で、国交省国土交通省のマンション標準管理規約の中には、このような条文があります。

第17条(専有部分の修繕等) 関係法
⑤ 承認を行うに当たっては、専門的な判断が必要となる場合も考えられることから、専門的知識を有する者(建築士、建築設備の専門家等)の意見を聴く等により専門家の協力を得ることを考慮する
第35条及び第36条(管理) 関係法
② 管理組合が支援を受けることが有用な専門的知識を有する者としては、マンション管理士のほか、マンションの権利・利用関係や建築技術に関する専門家である、弁護士、司法書士、建築士、行政書士、公認会計士、税理士等の国家資格取得者や、区分所有管理士、マンションリフォームマネジャー等の民間資格取得者などが考えられる。

まだ歴史の浅い共同住宅という住環境の中で、専有部のリフォームによって起こる新たな問題・トラブルも数多く表面化している問題があります。
ほんの一部ではありますが簡潔に説明すると大きく分けて二つの問題・トラブルに分けられると言えます。

その一つは工事前の申請・承諾や近隣対策(挨拶や工事内容説明)、工事中の近隣対策(清掃・養生・挨拶等)でのリフォーム業者の知識経験不足による配慮が足らずに起こるトラブル。このトラブルはリフォーム業者とお客様との信頼関係にヒビがはいるだけではなく、お客様と近隣住民・管理組合との関係にも悪影響を与えてしまうトラブルと言えます。

もう一つは、そのマンションの構造・修繕計画を考慮しない設計企画やマンション特有の施工方法や部材等の知識経験不足によるトラブルです。これは工事後のあとから問題が表面化し、工事のやり直しや近隣への修繕工事が発生するなど、非常に大きなトラブルに発展し裁判などになるケースも多く見受けられます。

特に注意しなければならないのが後出の問題かと思います。
これは工事の大小にかかわらず起きうる問題トラブルで、前出にもあるとおり法整備がされていない現在でこのようなになった場合はリフォーム業者の施工責任で決着付く場合もありますが、遮音問題等(以前のコラムに掲載)の場合は責任所在追求が難しく、下階住居や管理組合を巻き込んでの大変なトラブル発展していくケースが近年多くなっています。

いずれにしてもこのような問題を未然に防ぎ、専門的な設計施工計画をたてた上で、承諾申請や近隣配慮などの全てに関わる関係者等を統括して、着工~完工までの監理し、観光後のメンテナンスまでしていくマネジメント業務をマンションリフォームマネジメントと言えます。

ですから、このような種々の現状を加味して、国交省から出されているマンション標準管理規約の中で【専門知識を有する者】として、【マンションリフォームマネージャー】と【建築士】との文言が入り、その専門知識を有する有資格者に意見や支援を受けること後押ししいるわけです。

もちは餅屋に頼めという言葉があるとおり、マンションリフォームの成功の秘訣は【マンションリフォームをマネジメントできる建築士】に相談することが大切であると言えます
ここであえて建築士という有資格者でなければと言っているのか? それは今後のコラムに掲載しますが、建築士のなかにもそれぞれの得意とする専門分野があるということを知っていただければと思います。

マンションリフォームの管理規約


「マンションは希望するリフォームができない?」

お客様からのご要望の中には、マンションの工事として可能な事と不可能なことがあるのは皆さんご存知かと思います。
不可能なご要望となってしまう理由は、私たちはマンション管理法(区分所有者法)にもとづいた管理規約に定めてある規約にそってを判断するからです。

しかし、マンション管理法(区分所有者法)は近年のマンション増加に伴い、マンション特有の問題について対応するため改正を繰り返してきております。
その本質は、区分所有者である住民の財産を守るためであり、円滑な共同住宅での生活のためでもあります。


この時流と、マンション住戸数がどんどん増えているのと比例して、
現況の建築基準法では規制できない問題がまだまだ数多くあるのも事実です。
それに対して管理組合もしくは管理規約がついてこれないという状況もでてきています。
管理組合は住民の方々の代表ですから、様々な難しい問題にすべて対応していくのは困難であると推測できます。


国交省が出している管理規約の雛形の中に、種々の問題などは専門的な有資格者である建築士等に相談していく等の内容がありますが、
実際はなかなかそのようなことをしている管理組合は少ないように思われます。
また、建築士などがいたとしても、マンションの問題は非常に専門知識が必要なので答えを導けないことも多いようです。

このような中で、新築時などの初期段階もしくは中期のままで、管理規約が時代にそぐわないものも多くありますので
規約を変更するとすれば「とりあえず禁止する」ということになる例もあります。

1 遮音規制による床材の変更を認めない(フローリング等にリフォームを禁止)
2 遮音等級の表記変更をしらずにLL表記が管理規約になっている(現在はΔ等級)
3 室内給湯器の外付けタイプへの移設を認めない
4 窓サッシのペアガラス交換及び内窓式インナーサッシの取り付け変更の禁止
記した例はほんの一部ではありますが、例えば「1」などはわかりやすい例だと思います。

あるマンションにおいて、ハウスダストやカビの問題・衛生面的な問題で絨毯からフローリングを希望する住民の方も多く、ある住民の方が過去にフローリング工事をしたことで上下階での騒音トラブルとなりそのマンションではフローリングにすることは一切禁止となりました。

この「あるマンションの一例」から考えてみると、まず第一に、工事をしたリフォーム会社が既存マンションの構造を考慮した遮音材や遮音フローリングを使用しなかった点がありますが、戸建用のフロアを貼ったのではあれば論外ですが、この一例の場合は、床材メーカーが推定L値の表記の材料を使用したのに上下階の遮音問題となりました。 

管理組合として遮音材を使っていないのではとリフォーム会社に質問しましたが、当然リフォーム会社は「遮音試験に通った材料を使用したので、こちらに非はありません」と答えます。こうなると、住民の方も管理組合もお手上げで、諦めるしかなく、結果引っ越す事となってしまい、その後フローリングは禁止となったのです。

このマンションの床部分にあたるコンクリ躯体の厚みは150mm、使用した遮音フローリングの試験結果の条件はコンクリ躯体200mm以上の場合に出る推定遮音等級LL45だったので、このような騒音問題が起きたと推測できます。
そのリフォーム会社に専門知識があれば、このようなことはなかったと思います。いかにマンションリフォームは専門的な知識と経験が必要であるか、ということだと思います。

また建築基準法も平面的な隣接住戸の法律はあっても、上下間の法は現状ありませんし、なにより新築や建て替え、移転、大規模な修繕・模様替えには確認申請が必要ですが、専有部分の各戸を対象とするマンションリフォームは法律上は確認申請を必要としません。

また、現状の建築基準法では500万円以下の工事は工事業者や元請会社が何の資格を持たなくても法律上は施工できてしまう法律です。
この法律的な部分も、各マンション管理組合で対応するしかないという現状を作り上げてしまっている要因であるとも言えます。(現在、この問題について弊社建築士と関西の建築士と共に国交省の担当者と意見交換を始めています)

上記のような状況を考えると、こちらのマンションではフローリングは諦めざるおえない状態でした。その中で、こちらのマンションの方より弊社にお問い合わせをいただきご相談を受けました。
そのお客様は絨毯によって、「喘息・ハウスダストアレルギー」で悩まれておりましたので、弊社の建築士がマンションの構造から住宅診断から始め、マンションリフォームマネジメントを行いました

床コンクリ躯体が150mm厚のラーメン構造である建物を考慮すると、下地には乾式二重床とし、界壁コンクリ壁との接点をつくらず音を響かないように(太鼓状態にしない)施工し、仕上げ材には喘息を考慮し自然素材であり表面に弾力性を持って音を吸収できる二重張り仕上げのコルク材とすることをご提案しました。

当然、管理組合とすると大変悩まれておりましたが、関係者の立会の元で、実際に階上で上記の材料を仮置きし下階において音を確認してもらい(軽減数値も提出)会議にかけていただき、了承をいただき、絨毯からコルクフローリングにリフォームすることができました。
その後も上下階の方にアフターサービス時に遮音の状況を確認いたしましたが、特に下階の方からは「以前より上階の方の生活音は聞こえなくなりました」と言っていただいております。

区分所有者(住民)が要望・希望することが時代にそぐわないとすれば、諦めるしかありませんでしたが、きちんと区分所有者法を理解している弊社であれば、法律資料や住民利益となる内容・図面・施工方法・算出書類等の安心材料を管理組合に提出し、管理組合に不安材料を与えずに管理規約の改正のお手伝いや、推進を計ることをご提案が可能です。